小顔矯正講師の鈴木正道です。
今回の記事では、
『骨盤の左右差を見極めるポイント』
というテーマでお伝えしていきます。
以前にも、仙腸関節に着目した左右差の確認方法をお伝えしていますが、
今回は骨盤を前方から見た時の左右差の確認方法をお伝えしていきます。
骨盤の歪みをチェックする際は、左右差を如何に見つけるかがキーとなります。
O脚改善を図る上でも、骨盤は超重要ポイントですからね。
確実に左右差を見極められるようにしておきましょう(^^)
【左右の骨盤の“閉じ”と“開き”に着目すべし】
骨盤の左右差を正面から確認する時は
「どっちの骨盤が開いているか?閉じているか?」
という視点を持つことが重要になります。
では、どこを見て骨盤の開閉を確認するのか?
それは左右の上前腸骨棘に注目しましょう。
骨盤が開いている側の上前腸骨棘は、外側に向かって倒れているわけなので
反対側の上前腸骨棘よりも低い位置にあります。
この場合の「低い」とは、天井から遠いという意味です。
仰向けに寝ているお客様の足元から骨盤を見た時に、開いている方の上前腸骨棘は
反対側の上前腸骨棘よりも低い位置にあるということです。
逆に、閉じている側の骨盤の上前腸骨棘は高い位置にあります。
天井に近い位置ですね。
左右の上前腸骨棘に同時に手を当てると、高低差が判断しやすいかと思います。
因みに、日本人の8割くらいは右の骨盤の方が開きが大きいようです。
【骨盤の「開き」と「閉じ」のどちらにアプローチするべきか?】
結論から言うと、どちらに対してもアプローチするべきです。
しかし、優先度で考えると「閉じている骨盤」からアプローチしましょう。
一般的に「骨盤の開き」が問題視されがちですが、
骨盤が閉じてしまっている状態も問題なのです。
その理由を説明します。
骨盤が閉じているということは、
骨盤の中に存在する内臓が圧迫を受けることを意味しています。
特に、腸骨からの圧迫ですね。
そして、最も腸骨から圧迫を受けやすい臓器は大腸です。
左の骨盤が閉じている人が多数派なので、
下行結腸やS状結腸が圧迫されてしまっているケースが多いですね。
大腸が骨盤から圧迫を受けると、腸は変形してしまい、便が通過しにくくなってしまいます。
結果、便秘に繋がるというわけですね。
この状態に陥ってしまうと、自分の意志では解除することができません。
骨盤矯正では、骨盤が過剰に閉じてしまっている状態をセラピストの手で解除してあげましょう。
また、人の身体重心は左右どちらかに偏位しやすい性質があります。
そして骨盤が閉じている側と、骨盤が開いている側
どちらの方がバランスがとりやすいでしょうか?
答えは閉じている骨盤です。
骨盤が閉じますと、腸骨は前傾方向に誘導されます。
腸骨が前傾してくると、脊柱や下肢は伸展方向に誘導されるので
身体重心を支える軸が整います。
つまり、身体重心は骨盤が閉じている側にどんどん寄って行ってしまうことになります。
このパターンを解除してあげないと、いつまでたっても骨盤の歪みが荷重刺激によって助長されるばかりです。
ちなみに、開いている側の骨盤は、腸骨が後傾に働いています。
つまり、脊柱や下肢は「屈曲」の方向に誘導されています。
曲がった足や背骨には体重がかけにくいですからね。
反対側の骨盤の過剰な閉まりを解除した後は、
開いている骨盤を閉じてあげる作業に移行しましょう。
この2つの工程を踏むことによって、身体重心は中央に戻ってきます。
結果的には、骨盤の左右差が改善することに繋がりますね。
【まとめ】
文字ばかりで複雑になってしまったので、最後に簡潔にまとめさせていただきます。
●骨盤の左右差を確認する時は、骨盤の「開き」と「閉じ」に着目すること
●開いている側の上前腸骨棘は低く、閉じている側の上前腸骨棘は高い位置にある
●骨盤の「閉じ」は骨盤の前傾を伴う
●骨盤の「閉じ」は、内臓へのダメージや身体重心位置を固定化してしまう。
●骨盤の「閉じ」パターンを解除した後は、骨盤の「開き」も改善すべき
●骨盤の開きは、骨盤の後傾を伴う。
●骨盤の後傾は、脊柱や下肢を屈曲させるので荷重しにくくなる。
●骨盤の「閉じ」と「開き」の両方にアプローチして、身体重心を正中化することが大切
ここまでの内容を抑えておくと、骨盤矯正の実技を覚える際に便利だと思います。
最後までお読み頂き有難うございました。
鈴木正道
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