いつも大変お世話になっております。
鈴木正道です。
本日は「骨」について焦点をあてて深堀していきたいと思います
小顔矯正をする上でみなさんは「骨」にどんなイメージをお持ちでしょうか?
矯正という言葉が入っているので骨を矯正するようなイメージをお持ちでしょうか?
では何を矯正していると思いますか?
頭蓋骨の歪み?頭蓋縫合の歪み?骨の歪み?骨のずれ?
1.そもそも頭蓋骨は矯正できるのか?
結論からまとめると、医学的・解剖学的な視点では、成人の頭蓋骨そのものの形を「矯正
(骨を動かして形を変える)」することはできません。
小顔矯正や頭蓋骨矯正といった施術で「骨の隙間(縫合)を埋める」という説明がなされ
ることがありますが、これにはいくつかの誤解が含まれています。
① 頭蓋骨が動かない理由
成人の頭蓋骨は、23 個の骨が「縫合」という非常に強力な結合によって組み合わさってい
ます。
- 強固な結合: 縫合は成長とともに完全に密着し、成人では数トン単位の圧力をかけ
ない限り動くことはありません。手技による数キロ程度の圧で骨の位置が変わるこ
とは、構造上考えにくいとされています。 - 脳の保護: もし簡単に動くようであれば、中の脳を保護するという本来の役割を果
たせなくなってしまいます。
② 「矯正された」と感じる正体
施術後に「顔が小さくなった」「歪みが取れた」と感じる場合、それは骨ではなく軟部組
織(筋肉・脂肪・むくみ)の変化である可能性が高いです。
- 咀嚼筋の緩和: 食いしばりなどで凝り固まった側頭筋や咬筋をほぐすと、顔の横幅
がスッキリし、エラが目立たなくすることができます 。 - 血流・リンパの改善: 頭皮や顔周りの血流が良くなることで、むくみが取れ、フェ
イスラインがシャープになります。 - 顎関節の調整: 骨そのものではなく、顎の関節の「噛み合わせ」や「位置」が安定
することで、左右のバランスが整って見えることがあります。

③ 注意点とリスク
「骨を動かす」という強い力で行う施術には、以下のようなリスクも伴います。
- 神経や血管へのダメージ: 顔周りには重要な神経や血管が通っているため、過度な
圧迫は炎症や痛みの原因になります。 - 顎関節症の悪化: 無理に力を加えることで、顎の関節を痛めてしまうケースがあり
ます。

※これはほんとに注意が必要で、私もいろんな小顔矯正を受けることがあるのですが、
一度だけ、側頭骨、頬骨、上顎骨の矯正を受けた後、左上の犬歯の付け根周囲に電気が走
るような脈を打ったような痛みが生じて、虫歯かと思い歯医者に駆け込んだことがありま
す。
結果的に歯科医師からは虫歯はなく、三叉神経に痛みを出しているか歯根膜に炎症を
起こしたのではないかと言われました。
痛みは 1 日で徐々に改善し、消失しましたが私にとってはとても衝撃的な経験となりまし
た。
(補足)
赤ちゃんの時期(乳幼児)であれば、脳の成長に合わせて骨が柔らかく隙間があるため、
ヘルメット治療などで形状を誘導することは医学的に可能です。
もし顔の歪みが気になる場合は、骨そのものを動かそうとするよりも、
表情筋のセルフマッサージや、
食いしばりの改善の方が効果を実感しやすいので、
まずは変化しやすい部分からやれることを考えていくほうが小顔矯正の導入としては、わかりやすいと思います。
2.骨は変化せず力を加えても変化しないのか?
骨とはただの固い塊なのか?
小顔矯正で骨を触ることは意味がないのか?
気になるところだと思います。
よく小顔セミナーをオンラインで開催すると
開始前の雑談でも様々な小顔矯正を学んできた方々とそんな話になります。
有名な美容系医師のインフルエンサーの方も
「骨が動いて小顔になる?そんなわけねーだろ」と言われていますね
確かに骨が縮むなんて医学的にはあり得ません。
ではなんで施術後にフェイスラインがスッと細くなるのか?
その答えはきっとレントゲンや解剖図だけで説明しようと思っても
なかなか理解しにくいと思います。
・骨は小さくはならない。
これは解剖学的事実で医学的にも当然です

・顔の見た目は明らかに変わるし、触った感触も骨が小さくなったように感じる
その理由は骨の構造を知ればもっと理解できるようになります。
骨は固い棒や模型の頭蓋骨のような固い塊ではありません。
骨は内部にわずかにたわむようなストレイン(歪み)を持っています。
その捻じれや引きつりが、顔全体のテンションに影響して顔の凹凸や
表情、ラインが変わると考えています。
骨の大きさは変わらなくても、顔にかかっているテンションの
かかり方が変われば形は変わって見える。
骨が動いたとセラピストは言って、骨は絶対動かないと医師は言う。
ではそのイメージを変えてみましょう。
3.骨の基本構造
まず骨の基本構造から

① 骨の全体像と二つの組織
イラストの左側では、骨が大きく 2 種類の組織で構成されていることを示しています。
- 皮質骨: 骨の外側を構成する硬く密度の高い部分です。皆さんが骨が固い動かな
い物体だと思うのはこの皮質骨の固さのためです。 - 海綿骨: 骨の内側にある、網目状(骨梁)になったスポンジのような構造の部分
です。
② 骨の基本単位「オステオン(骨単位)」
イラスト中央の断面図では、皮質骨の構造が詳しく描かれています。
- オステオン: 皮質骨の最小単位で、円柱状の形をしています。
- 同心円状の板: ハバース管を中心に、骨の板がバウムクーヘンのように重なって
構成されています。 - 介在層板: オステオンとオステオンの間を埋めている、古いオステオンの名残で
す。
③ 栄養を運ぶ管のネットワーク
骨の内部には、血液や栄養を届けるための「管」が張り巡らされています。
- ハバース管: オステオンの中心を縦方向(骨の長軸方向)に走る管です。中には
血管、リンパ管、神経が通っています。 - フォルクマン管: ハバース管同士を横方向(水平方向)に連結する管です。骨の
表面や骨髄腔ともつながっており、全体に栄養を行き渡らせます。
4 骨内循環構造
次に、骨の血液循環を説明します。

顔の骨(顔面骨)の血液循環は、主に外頸動脈から分岐する複雑なネットワークによって
支えられています。顔は表情筋や粘膜、感覚器官が集中しているため、非常に血流が豊富
なのが特徴。
顔面骨の栄養供給は、大きく分けて「骨膜からの血流」と「骨の中を通る動脈」の 2 つの
ルートで行われます。
① 主要な顔の血液の供給源:外頸動脈の枝

顔面骨の各部位には、主に以下の動脈が血液を運んでいます。
・顔面動脈: 下顎骨の縁を越えて顔面に入り、上顎・下顎の周囲を広くカバーします。
・顎動脈: 上顎骨や下顎骨の内部へ深く入る最も重要な枝です。
・下歯槽動脈: 下顎管の中を通り、下顎骨と歯に栄養を与えます。
・眼窩下動脈: 上顎骨の前面や頬のエリアを供給します。
・浅側頭動脈: 頬骨弓(頬骨)の付近を走行し、側頭部や顔面上部に血流を送ります。
② 骨への流入経路
骨の細胞に栄養が届く仕組みには、ミクロな構造が関わっています。
骨膜血管網
骨の表面を覆う「骨膜」には細かい血管が網目状に張り巡らされています。顔面の骨は軟
部組織(筋肉や皮膚)と密接しているため、これらの組織から骨膜を介して血液が供給さ
れます。
栄養孔
骨の表面にある小さな穴(栄養孔)から、比較的大きな動脈が骨の内部に進入します。
- 例: 下顎骨にある「下顎孔」や、上顎骨にある「眼窩下孔」などが、血管の主要な
入り口となります。
③ 骨内部の微細循環
骨の内部に入った血液は、以下の管を通って隅々まで行き渡ります。
- ハバース管: 骨の長軸方向に走る管で、中に血管と神経が通っています。
- フォルクマン管: ハバース管同士を横方向に繋ぐ管です。これにより、骨全体が三
次元的な血管ネットワークで結ばれます。
④ 静脈の還流
骨で使われた血液は、動脈と並行して走る静脈を通って戻ります。
- 顔面静脈や顎静脈に集まった血液は、最終的に内頸静脈へと注ぎ込み、心臓へと戻
っていきます。
ポイント:顔の骨の治癒能力 顔面骨は他の部位(手足の骨など)に比べて血流が非常に
豊富なため、骨折した際の治癒が比較的早いという特徴があります。
その反面、手術時などは出血しやすいため、解剖学的な血管走行の把握が非常に重要視さ
れます 。
4.骨細胞と水分の流れについて
次に骨細胞について説明しています
骨細胞は、私たちの骨の中に存在する細胞の中で最も数が多く、骨の健康を維持するため
の「司令塔」のような役割を果たしています。
骨ができる過程や、古くなった骨を壊して新しく作り替える「骨のリモデリング」におい
て、非常に重要なポジションを担っています。
①骨細胞とは?
一見,静的にみえる骨組織は,外界の機械的刺激に応答して,骨量の見直し,および空間的再構
築を絶えず行っている.これらの調整,骨表面に存在する破骨細胞および骨芽細胞,休止期の
骨芽細胞であるライニング細胞,そして,骨芽細胞が分化し骨中に存在するようになった骨
細胞らの働きによってなされている
骨組織の細胞のうち、なんと 90%以上をこの骨細胞が占めています。

特徴的な形:小さなネットワーク
骨細胞の最大の特徴は、細胞体から伸びる無数の突起(樹状突起)です。
骨の中には「骨細管」という非常に細い管が網目のように張り巡らされており、骨細胞は
この管を通して隣り合う細胞同士で手をつなぎ、巨大なネットワークを形成しています。
• 骨細胞: 「骨小腔または腔隙」と呼ばれる小さな隙間に収まっています。
• 骨細管: 隣の骨細胞や、骨の表面にいる細胞と連絡を取り合います。

③骨細胞の重要な役割
骨細胞はただ骨の中に閉じ込められているわけではありません。主に以下の 3 つの重要な
仕事をこなしています。
ⅰ.骨にかかる衝撃のセンサー(メカノセンシング)
私たちが歩いたり運動したりして骨に負荷がかかると、骨細胞はその刺激を敏感に察知し
ます。
- 負荷が強いとき: 「骨を強くせよ」という信号を出します。
- 負荷がないとき: 無重力状態や寝たきりの状態では、「骨は不要」と判断し、骨密
度を下げる信号を出してしまいます。
ⅱ. 骨のリモデリングの司令
骨を壊す「破骨細胞」と、骨を作る「骨芽細胞」の働きをコントロールします。
- 骨に微細な傷(マイクロダメージ)ができると、骨細胞がそれを感知し、破骨細胞
を呼び寄せて古い骨を掃除させます。
ⅲ. カルシウムの調節
血液中のカルシウム濃度を一定に保つため、骨からカルシウムを出し入れする指示を出し
ます。
④ 骨細胞と「若返りホルモン」
骨細胞(オステオサイト)は、単に骨の中に埋もれている細胞ではなく、全身の健康やア
ンチエイジングを司る「司令塔」として近年非常に注目されています。
骨に衝撃や負荷がかかることで骨細胞から分泌される、若返りに関わる重要な物質とその
メカニズムについて解説します。
ⅰ. 骨細胞が放つ若返り物質「オステオカルシン」
骨細胞や骨芽細胞から分泌されるタンパク質オステオカルシンは、骨の形成を助けるだけ
でなく、血流に乗って全身の臓器に働きかける「メッセージ物質(ホルモン)」としての側
面を持っています。
主な若返り効果
- 記憶力・認知機能の維持: 脳の海馬に働きかけ、神経伝達物質の合成を促すこと
で、記憶力の低下を防ぐとされています - 筋力の維持: 筋肉に働きかけ、糖の取り込みやエネルギー代謝を効率化し、筋力の
衰えを抑制します。 - 血糖値のコントロール: 膵臓の β 細胞を刺激してインスリンの分泌を促したり、
脂肪細胞に働きかけてインスリン感受性を高めたりします。 - 生殖機能の活性化: 男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促す働きも確認され
ています。
ⅱ. 老化抑制因子「クロトー(Klotho)」
骨細胞は、長寿遺伝子として知られるクロトー(Klotho)の活性にも深く関わっていま
す。
- リンの調節: 骨細胞が分泌する「FGF23」というホルモンは、クロトーと協力して
体内のリンの濃度を調節します。 - 抗酸化・抗炎症: クロトーが正常に働くと、血管の石灰化を防ぎ、細胞の酸化スト
レスを軽減するため、全身の老化スピードを緩める効果が期待されています。
ⅲ. 骨細胞を活性化させる「骨刺激」の重要性
骨細胞は「物理的な刺激(メカニカルストレス)に非常に敏感です。骨に衝撃が加わる
と、骨細胞のネットワークを通じて「骨を強くせよ」「若返りホルモンを出せ」という指
令が飛び交います。
効果的なアプローチ
- かかと落とし運動: まっすぐ立ち、かかとを上げて一気にストンと落とす刺激が、
骨細胞を効率よく活性化させます。 - 筋力トレーニング: 筋肉が骨を引っ張る力も、骨細胞への強力な刺激になります。
- 重力への抵抗: 宇宙飛行士が骨が弱くなるのと同様に、地球上でしっかり重力を受
けて活動することが、ホルモン分泌の源になります。
ⅳ. 骨細胞の「質」と見た目の若々しさ
美容皮膚科や解剖学的な視点でも、骨の健康は重要です。骨密度が低下して顔の骨(頭蓋骨)が萎縮すると、その上の軟部組織(脂肪や皮膚)を支えられなくなり、シワやたるみ
の直接的な原因になります。
骨細胞を元気に保ち、オステオカルシンなどの分泌を維持することは、内臓の若返りだけ
でなく、 「顔の土台」をキープするという点でも極めて重要と言えます。
ポイント: 骨は単なるフレームではなく、全身に「若さ」を指令する内分泌器官です。
日々のちょっとした衝撃(歩く、かかとを落とすなど)が、最高のエイジングケアになり
ます。
【骨の細胞たちの関係性まとめ】
骨芽細胞→骨を作る→建設作業員
骨細胞→骨の状態を監視・命令→現場監督(司令塔)
破骨細胞→古い骨を壊す→解体業者
骨細胞が元気にネットワークを維持していることが、強くしなやかな骨を保つ秘訣と言え
ます。運動が骨に良いとされるのは、この骨細胞という「センサー」を刺激して活性化さ
せるからです。
では、どうやって骨に刺激が入るのか?
骨にかかる力は細胞を変形させるほどの大きなものではないことが知られている.
つまり,骨の変形は最大でも 0.3%程度しかなく,そのような小さな変形を,直接,細胞にかけても,細胞は応答しない.
そこで、骨中の細胞にかかる力として「流体剪断応力」が考えられる。
流体剪断応力による骨形成・骨吸収のメカニズムの仮説を簡単に説明すると
まず,骨細胞は,周囲を骨小腔,骨細管といった骨基質に覆われている。
そして、体液は,細胞の膜と細胞を取り囲む骨基質の間にある狭い隙間に満たされている。
そこで、骨に力が加わる時に骨のわずかな変形が狭い隙間に存在する体液の急速な移動を
引き起こしその体液の移動が骨細胞および骨芽細胞の表面にズリ応力を引き起こし細胞に
生物学的な応答を引き起こすものと考えられている。

この流体剪断応力などの骨への刺激を使って骨へアプローチする
テクニックを骨内ストレインといいます。
5.骨内ストレインとは?
骨内ストレインは、骨の内部に生じる「歪み」や「変形」のことを指します。物理学的な
「歪み(Strain)」の概念を骨組織に当てはめたもので、骨の健康維持やリモデリング(再
構築)において非常に重要なメカニズムです。
以下の 3 つのポイントで解説します。
① 骨内ストレインの仕組み
骨に荷重や筋肉の牽引力が加わると、骨は目に見えないレベルでわずかに変形します。こ
の変形の度合いをストレイン(歪み)と呼びます。
- メカノトランスダクション(機械的刺激受容): 骨の中にある「骨細胞」が、この
歪みを感知します。 - 液性因子の移動: 骨に圧力がかかると、骨内の微細な管(骨細管)を通る間質液が
移動します。この液体の流れ(流体剪断応力)も骨細胞への刺激となり、ストレイ
ンの一部として機能します。
② 骨の適応反応(ウォルフの法則)
骨には「加わる力に適応して構造を変化させる」という性質があります。これをウォルフ
の法則と呼びます。
- 適切なストレイン: 骨芽細胞が活性化し、骨密度が高まって骨が強く太くなりま
す。 - ストレインの不足: 寝たきりや無重力状態など、負荷がかからない状態では骨細胞
が「この骨は今の強度は不要だ」と判断し、破骨細胞による骨吸収が進んで骨が弱
くなります(廃用性萎縮)。 - 過剰なストレイン: 許容範囲を超えた急激な、あるいは繰り返しの負荷は、疲労骨
折(マイクロダメージの蓄積)を引き起こします。
③ 美容・健康における視点
骨内ストレインは、単なる骨の維持だけでなく、代謝にも関わっています。
- 骨刺激とエイジング: 加齢により運動量が減ると、骨内ストレインが発生しにくく
なり、骨吸収が加速します。特に顔面の骨(上顎骨や下顎骨)においてストレイン
が減少すると、骨が痩せ、それが皮膚のたるみやシワの原因(土台の崩れ)となる
ことが研究されています。 - 振動刺激: 最近では、歩行のような強い衝撃だけでなく、特定の周波数の振動を与
えることで微細な骨内ストレインを生じさせ、骨密度を維持・向上させるアプロー
チも注目されています。
骨内ストレインテクニックの簡単な方法
ここに示す検査方法や施術方法は、このやり方が全てではなく一つの基本的な方法の目安
です 。これを元にケースバイケースで変化工夫することによって、より効果が期待できま
す。触りやすい骨、顔であれば下顎骨などからチャレンジしてみてください。
誇張法(動きやすい方に動きを広げる考え方)など間接テクニックと共通する面がありますが、誇張法は主に体液の循環を基に考えられたものに対して、骨内ストレインは骨組織
のエネルギーの方向性の転換という考え方に基づいています 。
手法は両手を使い、持つ手の圧は大体 10g〜20g 位、時により 50g 位の場合も可能で、方
向性としては前方、後方、右方、左方、圧縮方向、長軸伸長方向、斜め及び回旋方向など
です。
時間は殆どが 10 秒前後、改善しない場合はそれを繰り返します。回数は基本的には 3 回〜
4 回行い、改善が見えない場合は日を改めて行います。
あるいは他の部分の骨内ストレインの場所を変えて行うことで、当該箇所が改善する場合
もあります。
例)下顎骨の骨へのアプローチの例(簡単に行う)
下顎骨を軽く両手で包み込むように触れます
下顎骨全体を触れ、骨が固くなっている部分を探します。
固くなっている部位を見つけたら両手で下顎骨を持ち、骨を前後に動かしたり、牽引もし
くは圧縮、ねじりを加えて骨自体の動きが柔らかい方向へ10から20g程度の圧で動き
を拡大し、10秒待った後に動きが固かった方向へ再度柔軟性の改善を確認します。
◆前後で期待できる変化
骨自体の柔軟性の改善と周囲の筋の筋緊張の改善、骨、骨膜、筋膜、筋の循環の改善、
触った時の骨のサイズ感のダウン、周囲の関節の動き、動かしやすさの改善
表情筋の動かしやすさの改善などが期待できる。
ちょっとさらにつっこんでみると
骨の電気の話も重要となってきます
「骨の電気」というのは、医学や生物物理学の世界では非常に重要なテーマです。骨は単
なる体を支える「棒」ではなく、物理的な刺激を電気信号に変えて、自分自身を強化する
ハイテクな特性を持っています。
主に「圧電効果(ピエゾ電気)」と「流動電位」という 2 つの現象が関わっています。
- 圧電効果(ピエゾ電気)
骨に圧力がかかると、その歪みに応じて微弱な電気が発生する現象です。
- 仕組み: 骨の主要成分であるコラーゲン繊維が、圧力を受けることで電荷のズレを
起こします。 - 役割: 圧力がかかった部分が「マイナス」、反対側が「プラス」に帯電します。こ
の電気的な変化が、骨を作る細胞(骨芽細胞)や骨を壊す細胞(破骨細胞)へのシ
グナルとなります。 - 意味: 「ここに負荷がかかっているから、もっと頑丈にしよう」というメッセージ
を細胞に伝えるスイッチのような役割です。
- 流動電位(ストリーミング・ポテンシャル)
骨の内部には微細な管(骨細管)があり、そこをリンパ液などの液体が流れています。
- 仕組み: 運動などで骨に負荷がかかると、骨の中の液体が押し出されるように移動
します。このとき、液体に含まれるイオンが移動することで電位差が生じます。 - 役割: 現在の研究では、骨芽細胞を活性化させる刺激としては、上記の圧電効果よ
りも、この液体の流れによる電気刺激の方が影響が大きいのではないかと考えられ
ています。
- 電気と骨形成の関係(ウォルフの法則)
これら「骨の電気」が深く関わっているのが、有名なウォルフの法則です。
「骨は、加わる力に応じてその構造を変化させる」
- マイナスの電位: 骨が形成される(骨が太くなる)。
- プラスの電位: 骨が吸収される(骨が痩せる)。
例えば、宇宙飛行士が無重力で骨がもろくなるのは、この電気的な刺激(重力による負
荷)がなくなるためです。逆に、プロテニスプレイヤーの利き腕の骨が非常に太くなるの
は、繰り返される衝撃で発生する電気信号が「もっと骨を作れ」と命令し続けているから
です。
- 医療への応用
この原理を利用して、骨折の治療を早める「超音波骨折治療」や「電気刺激療法」が行わ
れています。 外部から微弱な電気や振動を与えることで、体が「あ、ここに負荷がかかっ
ているな」と勘違いし、修復スピードを上げるという仕組みです。
骨は物理的な刺激を「電気」という共通言語に翻訳して、自分の形を最適化している、極
めて合理的な組織と言えます。
「異常な電気信号」が不調を招く
健康を取り戻したければ骨の電気を整えなさい の著者 浅井 融先生は
骨にできた小さな「傷」や「へこみ」がトラブルの元になると仮説を立てています 。
- ノイズとしての働き: 傷やへこみがある場所には、本来生じないはずのマイナスの
電圧(異常な電気信号)が発生します 。この信号は筋肉や脳からの指令信号より
も電圧が高いため、正常な神経伝達をかき消す「ノイズ」となる 。 - 脳への影響: この異常信号が脳に届くと、脳はそれを不快な感覚として認識した
り、あるいは過剰な信号を遮断しようとして一時的に機能を停止させたりします。
これが、原因不明の痛み、しびれ、自律神経の乱れ、さらには内臓疾患の原因にな
ると説明されています 。
最近整体業界では様々な治療メソッドがありますが、その中でもハンマーと木を使って骨
の歪みを直すといったコンセプトの整体があります。
いろんな団体、先生方がいらっしゃるので上記の説明の理論で施術をされているのかはわ
からないですが、私も格闘家の先生が実践している木を骨にあててゴムハンマーでコンコ
ン骨を叩く施術を勉強したことがあります。

やられてみて、練習しての感想は骨に刺激をいれるとこんなにも体の感覚がよくなった
り、筋肉を動かしやすくなったりするものかと驚いたのを覚えています。
実際木を骨にあててゴムハンマーで軽くたたくと骨の固さが違うことや、関節の動きの連
動性を妨げている部位の近辺で骨が固くなっていることが多いです。
これをそのまま顔にやるのはやや乱暴に感じたので、上記の骨内ストレインテクニックを
使うか、軽いタッピングをつかった骨刺激を入れて循環を促したりリフトアップテクニッ
クとして使うことが顔の施術では多いです。
実際ハンマーを使った整体のみで行っている先生方は顔の骨もハンマーを使って整体され
ていますので、それも一つの方法だと思いますしマーケティング上それで集客できている
のであれば問題ないと思います 。
小顔サロンでいきなりハンマーを持ち出すのは注意が必要なので、徒手手技から骨にアプ
ローチしていく方が安全だと思います。
美容業界ではこういった骨の治療は「骨気(コルギ)」が有名なのではないでしょうか?
骨気について簡単に説明します
骨気の基本概念
骨気は、約 30 年前に韓国で生まれた民間療法をルーツとする美容健康法です。最大の特徴
は、皮膚や筋肉ではなく「骨」に直接アプローチする点にあります。手の骨を顔の骨に当
て、圧を加えて骨を動かすことで、顔の土台から整える手法をとります。
理論のメカニズム
骨気の効果、3つのポイント。
- 土台からの矯正 顔の骨は、加齢や日常生活の癖によって変化します。骨気によっ
て顔の土台である骨を刺激し、正しい位置に導くことで、連動する筋肉や皮膚も引
き締まり、立体感のある顔立ちを目指します。 - 老廃物の排出と血行促進 骨と骨の間に詰まった老廃物を押し流し、骨の隙間を引
き締めます。骨への刺激は、その上にある筋肉にも同時に伝わり、肌の血行を良く
する効果も期待できます。 - 持続性と即効性 リンパや筋肉をさする一般的なマッサージが一時的なむくみ取り
(時間とともに戻りやすい)であるのに対し、骨気は土台である骨を動かすため、
高い即効性とあわせて良い状態を長時間キープできると言われています 。
骨気という施術方法で言っていることは、特に特別なことではなく骨に刺激を入れるとい
った理論背景は骨内ストレインテクニックや、ハンマー整体などと大きな違いはないと思
います。
骨内ストレインテクニックでは 20 から 50g程度の優しい厚手骨の歪みを調整していくテ
クニック、ハンマー整体は骨に振動刺激を入れて調整していくテクニック、骨気も手の骨
と顔の骨をフィットさせて骨に刺激を入れて形を整えるテクニック。どのテクニックも骨
に刺激を入れることで歪みを調整したり、骨と骨の周囲組織の循環を改善し、刺激を入れ
ることで骨細胞や骨電気に働きかけてリモデリングや、ホルモンの分泌を促すことが目的
になっています。
骨気の施術を取り入れるのであれば、かなり強めの小顔矯正サロンとして集客することに
なるので、どういった刺激や手技を選択するかはお店のコンセプト作りから検討する必要
があります。
私は骨に強い刺激をいれるのはそれなりにリスクがあるので骨内ストレインの考え方を使
って骨からアプローチするようにしています。
ケースによってたまに骨気に近いようなことも試すことがありますが、お客様の反応と要
望に合わせて柔軟に対応するようにしています。
最後にポイントとして
骨は必要な場所に必要な構造と強さを作るようにできています。

大腿骨や寛骨は体重がかかるためその体重を支えるために海綿骨が力を循環できるように
骨が配置されています。

顔の骨も同様に咬合による力の伝達が上顎骨から前頭骨、頬骨、側頭骨、頭頂骨へ
力が伝わっていく構造になっています。
下顎骨は下顎骨の中で力が循環するように構造ができているのが少し特殊なところです。
頭蓋骨にも海綿骨はあって、力に対して骨形成がされており
頭蓋骨のような扁平骨は骨髄腔はないですが海綿骨の隙間に骨髄は存在しています。

最後にまとめです
1:頭蓋骨は動くか?
・圧を加えればその力が骨の中に影響をもたらす程度に動いている
・頭蓋骨の縫合はずれるのか?縫合がずれているかは医学的には微妙、しかし 0 ではない
と考えています。
・頭蓋仙骨療法における 1 次呼吸と頭蓋骨・縫合の動きはあるが、小顔矯正で顔を小さく
するという観点ではメインのアプローチではない、循環を整える意味では重要。
2:小顔矯正で骨にアプローチする意味はあるか?
・骨に刺激を入れた方が筋も血管も皮膚も膜も循環も反応が良いのでもちろんアプローチ
をしていく。刺激量と刺激方法はお店のコンセプトとリスクを考えて選択。
どうでしょうか?
骨に対するイメージは変わりましたでしょうか?
骨を矯正するのであれば、ほんとに医学的に矯正をかけているのが歯科矯正ではないでしょうか?
あれだけの期間と矯正器具を使って骨と歯を矯正をする必要があるということもよく考えて小顔矯正を考えていく必要があるとおもいます。
本日も長くなりましたが最後までお付き合いありがとうございました。
鈴木正道


















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