鈴木正道です。
今回は頭蓋アプローチについてのお話です。
普段は筋肉へのアプローチのお話を多くさせていただいていますが、今回は筋肉よりも深層の骨格レベルの治療を行う為の知識をお伝えしていきます。
骨格レベルで問題を解決できるようになれば、整体師としてもセラピストとしても強力な武器になりますので、まずはしっかりと知識を抑えておきましょう。
【頭蓋骨は動くという概念】
これは大前提となる知識ですが、一つだけ注意点があります。
タイトルの通り、今回のメルマガでは「頭蓋骨には縫合の間で紙1枚分ほどの可動性がある」という内容のお話をしていきますが、解剖学上ではこの縫合は昔から「不動連結」と言われており、可動性は無いとしている資料も多く存在します。
施術の際にお客様に伝える情報・説明として、「小顔矯正で骨を締めることで、骨が小さくなるから顔が小さくなる」等と言った間違った知識を伝えてしまわないように注意してください。
あくまでもこの縫合に沿って頭蓋骨の動きを「調整」して、小顔効果や内蔵の健康に繋げることが頭蓋仙骨療法の目的となってきます。
頭蓋仙骨療法についてはYouTubeや別のメルマガでも詳しく説明しています。
【頭蓋骨を触る上で抑えておきたい知識】
頭蓋骨は複数の骨の集合体です。
頭蓋骨は22個の骨で構成されており、それぞれの骨にはつなぎ目があります。
このつなぎ目を“縫合(ほうごう)”と呼びます。
そして、新しい知見として、この縫合にはごく僅かな可動性があると言われるようになりました。
紙1枚分ほどのほんの少しだけとは言われていますが、脳脊髄液が産生するタイミングで開き、吸収されるタイミングで閉じる方向に動くと言われています。
この動きを一次呼吸と呼びます。
この一次呼吸ですが、日頃のストレスや生活習慣の乱れによって制限されてしまいます。
脳脊髄液は1日で500ml程つくられ、脳の中や表面を循環します。
循環するスペースに入る容量は120~150ml程なので、1日で3回ほどは入れ替わる計算です。
つまり、この循環が制限されることによって古い脳脊髄液がどんどん貯留してしまい、「脳圧亢進症状」が出てきます。
これが原因で片頭痛や耳鳴り、顔のむくみやフェイスラインの左右差を招いているケースは臨床でも非常に多いです。
この脳脊髄液の産生と吸収のサイクルは、小顔矯正を通して改善することが出来ます。
このテクニックを美容ではなく、治療の部分で用いる場合は「頭蓋仙骨療法」とか「クラニオ・セイクラル」と呼ばれることもあります。
骨格レベルでの小顔矯正は、美容テクニックとしても、治療テクニックとしても使うことが出来るので非常にセラピストや整体師向けのテクニックであると言えます。
骨格レベルのテクニックは、筋肉(膜)の治療・施術を終えた後に行うことが効果的です。
頭蓋骨の表面を覆っている筋肉が固くなることで、頭蓋骨の縫合の動きを制限してしまっている場合があるからです。
まずは、筋肉の調整を行って、頭蓋骨を筋肉からの締め付けから解放してあげましょう。
側頭筋や胸鎖乳突筋、広頚筋などが小顔施術に欠かせない筋肉になっているのはこの辺りも関係してきます。
これらの筋肉の調整を行うだけでも、頭蓋骨が筋膜の張りから解放され、一次呼吸が回復する場合があります。
施術を行う順番を少し工夫するだけでも、施術効果にはっきりと差が出ます。
【小顔矯正における縫合への施術は、健康効果も期待できる】
前述したように、このテクニックは美容ではなく、治療の部分で用いる場合は「頭蓋仙骨療法」や「クラニオ・セイクラル」と呼ばれることがあります。
オステオパシーでは、頭蓋骨と内臓は密接に関係していると言われており、治療の際にこの知識が使われます。
【内臓機能との関連】
筋膜のつながりから、頭蓋骨は内臓との関係が強いとされています。
頭蓋骨の硬さ、ゆがみを取り除くことで内臓機能の向上を図ります。
「内臓調整」と「頭蓋仙骨療法」を組み合わせることで、相乗効果を生み出せるといえます。
内臓ごとに対応する頭蓋骨のリリースを行なっている整体院もあります。
●肝臓→前頭骨リリース
●腎臓→側頭骨リリース
●脾臓、腸→後頭骨リリース
●子宮、副腎→頭頂骨リリースなど
まずはこれらの知識をしっかりと理解しておくことで、一つ一つの施術にしっかりと意味を持たせましょう。そうすることで患者さんからの信頼に繋がります。
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本日も最後で読んでいただき、ありがとうございました。
鈴木正道
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