こんにちは、小顔矯正講師の鈴木です。
今回の記事では
『骨盤矯正と小顔矯正の関係性。骨盤を整えると顔が整う理由とは?』
というタイトルでお伝えしていきます。
以前の記事では、骨盤を通過する筋膜が顔面まで伸びていることを理由に、
骨盤と顔の関係性について説明したかと思います。
筋膜の中継地点である骨盤がズレれば、当然、筋膜のアンバランスを起こしてしまいます。
その結果、筋膜のアンバランスが顔面の筋肉にまで波及するというものです。
上記のように以前は、筋膜や筋肉の繋がりに着目して解説しました。
今回の記事では、『骨格レベル』での関係性について解説していこうと思います。
『骨格レベル』とは、簡単にお話すると、骨盤の骨がズレると、頭蓋骨もズレるという話です。
骨と骨の関係性についてですね。
この視点を持つことで、より一層、小顔矯正とは全身に対してアプローチする技であるという認識を持って頂けると思います。
【“運動連鎖”という考え方】
運動連鎖(うんどうれんさ)とは、
「ある関節の運動が他の隣接する関節へ 影響を及ぼす」
という意味で使われる言葉です。
簡単に言うと、体のどこか一カ所が動けば、その動きに連動して、他の箇所も動くということです。
例えば、椅子に座っている姿勢で猫背になると、自然と両足はガニ股になると思います。
これは骨盤の「後傾」という動きと、股関節の「外旋」という動きが連動している為に起こります。
この運動連鎖という視点を持つことで、足の先から頭のてっぺんまで、あらゆる部位の関係性について考察することが出来ます。
【骨盤と顔の運動連鎖】
骨盤の歪みによって生じる運動連鎖について解説していきます。
骨盤を歪ませる動作として、足を組んで座るというものがあります。
足を組んで座ると、足を持ち上げている側の骨盤がアウトフレアといって開いてしまう方向に歪みます。
例えば、右足を持ち上げるように足を組んでいると、右の骨盤が開いてしまいます。
そうすると右のお尻が大きく見えてしまいますね。
ここだけなら、歪みはお尻周りに限定されるのですが、骨盤の歪みは背骨の歪みに波及していきます。
足を組んでいる時の骨盤は、足を持ち上げている側の骨盤が、反対側の骨盤と比較して挙上します。
つまり、骨盤が横方向に傾斜します。
右足を組む場合の例でいえば、骨盤は左側に傾くように傾斜してしまいます。
すると、骨盤と連結している脊柱(腰椎)は、骨盤の傾斜と反対側に曲がるように動きます。
骨盤の傾斜を相殺するように、反対側に曲がるわけですね。
これは、身体が常に水平を保てるように、脳が無意識的に反応して生じる現象です。
仮に、骨盤が傾斜している側と同じ方向に脊柱も曲がってしまったら、身体はバランスを崩して倒れてしまいます。
右足を組んだ瞬間に、身体が左に倒れ込まないのは、骨盤の左傾斜を脊柱(腰椎)の右側屈が相殺してくれているからです。
さらに腰椎レベルでの右側屈は胸椎、頸椎へと上行性に波及していきます。
基本的に腰椎が右に曲がれば、胸椎・頸椎は連動して左に曲がるようにして帳尻を合わせます。
ここまでの流れで、骨盤の傾斜から頸椎レベルまでの歪みに波及していきました。
しかし、歪みの連鎖は頸椎では終わりません。
頸椎の先にある部分にまで及びます。
では、頸椎と連結する部位はどこになるでしょうか?
答えは「後頭骨」です。
頸椎と後頭骨は“環椎後頭関節”という関節で連結しています。
つまり、頸椎の歪みは環椎後頭関節を介して、後頭骨にまで波及してしまうということです。
頸椎の歪みが後頭骨に伝わると、後頭骨は頸椎が曲がるのとは反対方向に傾斜してしまいます。
右足を上に組んで座る例でいえば、骨盤は左傾斜、腰椎は右側屈、胸・頸椎は左側屈ですので、後頭骨は右傾斜の歪みを生じるということですね。
【まとめ】
今回お伝えしたかったポイントは、「運動連鎖」という視点を持てば、全身の繋がりを多角的に考えて、歪みの原因を導けるという点です。
上記の骨盤左傾斜から始まる例を暗記して欲しいわけではありません。
運動連鎖という視点を持てるか否かは、ベースとなる運動学や解剖学の知識が必要不可欠です。
これは才能でも何でもなくて、『知っているか、知らないか』という知識の問題です。
知識や技術は身に着けてしまえば一生ものです。
早いうちにマスターして、思い通りの施術効果を出せるようになりましょう。
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