鈴木正道です。
今回は、「冷え性と月経の関係性」についてお伝えしていこうと思います。
「冷えは万病のもと」と言われていますし、冷え性は女性に非常に多い症状かと思います。
冷え性で悩まされている方の男女比は7:3で女性に多いとされています。
これは、女性の方が筋肉量が少なく基礎代謝が男性よりも低いことが要因として考えられますが、実はそれだけではありません。
女性の月経も冷え性と密接に関わっていたのです。
ウィメンズヘルス分野で働かれているセラピストの方には、是非知っていい頂きたい内
容になりますので、是非ご確認頂ければと思います。
【月経が招く女性の冷え性】
月に1度の周期で、妊娠準備のために厚くなった子宮内膜は、受精卵の着床が無かった倍には剥がれ落ち、体外に排出されます。
これが月経です。
この時、女性の体は一時的に貧血状態となり、代謝機能が低下してしまいます。
血液が減少すると、ヘモグロビンによって運搬される酸素量が減少することで熱産生が行われにくくなり、冷えを生じやすくなります。
通常、月経が終われば徐々に貧血症状は改善されていきます。
しかし、重度に冷えてしまった子宮は新陳代謝が悪く、新鮮な血液が供給されずに、血流が滞ってしまいます。
この子宮の血流不全(冷え)が子宮内膜症や子宮筋腫などの
女性特有のトラブルの発生リスクを高めてしまうことに繋がってしまいます。
また、生理痛が極端に重い場合にも、血流不全による影響が
大きく働いている可能性が高いと言えます。
月経は本来、生理現象ですから痛みを伴わないものであると言われています。
極端な痛みを伴う場合は、身体から発せられる何らかのSOSサインであると捉え、原因を考える必要があります。
【視床下部と冷え性、生理痛の関係性】
ホルモンは体のさまざまな機能を調節していますが、
これをコントロールしているのが脳の視床下部というところです。
視床下部は、自律神経系の司令塔の役割をになっています。
自律神経系は当然のことながら体温を調節する役割も担っています。
では、この事実を踏まえた上で我々セラピストは
どのように臨床応用に発展させれば良いのでしょうか?
その答えになるのが『頭蓋仙骨療法』の存在です。
頭蓋仙骨療法の大きな利点として、
「自律神経系のコンディションを整えることが出来る」というものがあります。
内臓治療と併用して使用することによって、生理痛を始めとした
月経トラブルに悩まされている患者様を助けてさしあげることが可能となります。
「頭蓋仙骨療法って何??」という方は、過去の記事でご説明していますので、
そちらをご覧頂ければと思います。
当協会では、頭蓋仙骨療法もお伝えさせて頂いていますので、
ご興味のある方は是非、ご連絡頂ければと思います。
【冷え性からくる生理痛に対する内臓治療】
冷え性に起因する生理痛に対する治療では、血流の循環(体温上昇)を促すことが非常に重要になります。
それには、前述の頭蓋骨へのアプローチ以外にも、内臓治療が有効なテクニックとなってきます。
ここでは、その場合に適応となる代表的な内臓治療をご紹介していきます。
(肝臓治療)
肝臓は体内での熱産生のうち、12%を占めていると言われています。
この臓器の治療を行い、肝臓での熱産生を促すことが冷えに対するアプローチとしては有効です。
また、女性の月経はイネイトインテリジェンスに当てはめて考えると『排泄(解毒)』の機能に分類されます。
そして人間の解毒機能に最も大きく関与している臓器は肝臓なので、
イネイトを上げるという意味でも肝臓へのアプローチは有効であると言えます。
(子宮・卵巣治療)
子宮、卵巣へのアプローチは必須となると思います。
内臓治療は局所の血流回復の効果もあります。
周囲組織との癒着やアライメント不良に対してアプローチすることは重要です。
(小腸治療)
小腸治療も生理痛を始めとした月経トラブルには有効です。
疲弊した内臓は重くなり、背側・尾方に偏移するという傾向がります。
小腸が尾側へと偏位すると、結果として子宮が圧迫を受ける形となります。
小腸治療を通して小腸のアライメントを整えることが、子宮へのストレスを緩和し、
血流を回復することに繋がります。
今回の記事は以上になります。
ここまで読んで下さり、本当にありがとうございます。
鈴木正道
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