小顔矯正講師の鈴木正道です。
今回は小顔矯正の臨床で意外と相談の多い、「慢性頭痛」、「偏頭痛」、「謎の全身倦怠感」にもアプローチできる可能性を秘めた、頭蓋仙骨療法について皆さんにお伝えしていきます。
【頭蓋仙骨療法とは】
頭蓋仙骨療法とは、頭蓋骨と仙骨の中を流れる“脳脊髄液”の循環を整えることを基本的なコンセプトした治療テクニックです。
このテクニックでは、「脳脊髄液の循環を整える」という視点が超重要で、『クラニオ・セイクラル』と呼ばれたりもします。
クラニオ=頭蓋骨 セイクラル=仙骨を意味します。
画像をご覧ください。画像の中に水色で描かれているものが脳脊髄液です。
我々の脳と脊髄の周囲を覆う様に循環しています。
そして、脳脊髄液は頭蓋骨内から第 2 仙椎の高さまでを循環しています。
この脳脊髄液を正しく循環させることが、頭蓋仙骨療法の目的になります。
それでは、脳脊髄液の正しい循環を促すとなぜ偏頭痛や全身の倦怠感などの改善に繋がるのか?
脳脊髄液の循環が滞るとどのような状態に陥るのか?この辺りを解説していきます。
【脳脊髄液の役割について】
まずは、頭蓋仙骨療法のお話をお伝えする上で脳脊髄液の役割を知っていただく必要があるので、解説していきます。
①脳や脊髄を保護する
まず、大前提として頭蓋骨や脊椎の中に直接、脳や脊髄が入っているのではなく、髄膜(軟膜・くも膜・硬膜)に包まれています。この軟膜とくも膜の間にくも膜下腔があり、その中に脳脊髄液が存在しています。
脳と脊髄の周囲を取り巻くことで、外力から脳と脊髄を保護しています。
頭をぶつけたり、転んだりしても少しくらいの刺激なら脳や脊髄を損傷しないのは、脊髄液が衝撃を吸収してくれているからです。
脳脊髄液のプールに脳と脊髄がプカプカ浮かんでいるイメージですね。
②脳や脊髄の老廃物を除去する
もうひとつの重要な役割が、代謝生産物(老廃物)の排泄機能です。
脳脊髄液は脳室→脳表面、脳室→脊髄中心管、脳室→脊髄表面→脳表面という流れがあり、最終的には脳の静脈洞から静脈系に吸収されます。
この過程で脳脊髄液は老廃物を排泄するように働きます。
この老廃物とは、脳や脊髄の古い細胞や過去の炎症反応の残骸などが該当します。
③脳や脊髄に栄養を与える
脳や脊髄、そこに存在する無数の神経に栄養を与える役割も脳脊髄液が担っています。
ブドウ糖やタンパク質、ナトリウムやカルシウム、マグネシウム、カリウムなどの電解質、リン酸、ホルモン、神経伝達物質など様々な物質が脳脊髄液には含まれています。
脳脊髄液の循環を促すことは、老廃物の排泄以外にも、脳の栄養状態を回復させるという重要な側面もあります。
④神経伝達に関与する
脳脊髄液は神経伝達にも関わっています。
脳脊髄液を介して神経伝達物質の受け渡しを行うこともありますし、中枢神経系の代謝促進という観点でも、脳脊髄液の循環が正常に行われていることは非常に重要な要素です。
【脳脊髄液の循環が悪いとどうなる?】
脳脊髄液の循環が悪いと以下の2つの大きな弊害が発生します。
①脳圧亢進
脳脊髄液の循環が悪いと古い脳脊髄液がうまく吸収されなくなり、髄膜内に必要以上に貯留してしまいます。
こうなると、脳が貯留した脳脊髄液から圧迫を受けてしまう状態になってしまうので、結果として脳圧が亢進してしまいます。
脳圧が亢進すると、症状としては
偏頭痛、耳鳴り、めまい、吐き気、学習機能低下などが生じてきます。
よって、頭蓋仙骨療法で頭痛が楽になるケースは臨床でも非常に多いです。
②自律神経の働きが乱れる
脳脊髄液の循環が滞ると、自律神経の働きが乱れてしまいます。
症状としては高血圧やしびれ、不眠、頭痛、動機、息切れ、低体温など多岐にわたります。
自律神経系の働き全般が侵されるので、自律神経によって支配されている各臓器の機能も障害されてしまいます。
よって、内蔵の働きが低下することによって引き起こされる症状とも関係してきますので、原因不明の体調不良などを引き起こしてしまっている可能性があります。
しかし逆に捉えると、脳脊髄液の流れを整えることでこれらの症状を改善できる可能性もあります。
なので、頭蓋仙骨療法は頭痛や全身倦怠感などの様々な症状への効果が期待できるということです。
脳脊髄液の産生、吸収には一次呼吸というものが存在します。
この内容については別のメルマガでもお伝えしていますので、そちらも参照してみてください。
今回は頭蓋仙骨療法の基礎のうち、特に重要な部分を抜粋して皆さんにお伝えさせて頂きました。
このレポートの内容を理解するだけでも、今後皆さんが頭蓋仙骨療法を学んでいただく際の学習率が飛躍的に上がると思いますので、是非、参考にしてみてください。
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本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
鈴木正道
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