いつもTOTALCAREアプローチ協会のブログを読んでいただき有り難うございます。
TOTALCAREアプローチ協会講師の北爪です(^^)
今回は、内臓治療の中でも“胃”に焦点を当てた内容となっています。
セミナー団体によっては「胃はただの袋だから…」という考えで、あまり治療対象として重要視しない場合があるようですが、個人的には胃を治療する意義は大いにあると考えています。
先ずは、この記事を通して胃の内蔵治療に必要な基礎知識を確認して頂ければと思います(^^)

胃の体表解剖
最初は、胃の体表解剖からです。
過去に何度もお伝えしていますが、内臓治療の精度は“如何に内臓のイメージを3Dで捉えられるか”によって大きく左右されます。
胃の体表解剖をしっかりと確認しておきましょう。
●胃底部(胃の上部、空気が溜まる場所)・・・左第5肋骨間の隙に存在します。※胃蓋部と呼ぶ場合もあり。
●噴門の正面・・・左第7肋骨肋軟骨連結部 ※噴門とは胃の入り口の部分のことです。
●小弯・・・噴門の下の弯曲部分。胃を正面から見た時の左側の弯曲。左第7肋骨肋軟骨連結部と同じ高さに存在し、L1までは脊柱と並行になっています。
●幽門・・・立位ではL3付近。臥位ではL1~L2付近に存在する。
※幽門とは胃から十二指腸へとつながる部分のことです。
また、幽門に関しては幽門平面も合わせて意識出来るようになっておくと良いでしょう。
幽門平面とは、恥骨結合上縁と胸骨柄上縁との中点を通る水平面上に存在する面のことです。
幽門はこの幽門平面の高さに位置するか、ややその下方に位置すると言われています。
胃の内臓治療をする際の目印として意識すると良いと思います。
胃の付着・固定
各臓器は筋膜や腹膜など、様々な組織によってアライメントが保たれています。
この構造が、各臓器のニュートラルポジションや可動性を規定しています。
内臓治療に必要な解剖イメージを培うのに必須の知識となりますので、是非確認しておきましょう。
胃の付着・固定は以下の組織によって規定されています。
●臓器の圧
●ツルゴール
●胃横隔間膜
●小網
●大網
●胃結腸間膜
●胃脾間膜
●左横隔結腸ひだ
これらの構造が胃の付着・固定に関与しています。
この内、特に重要となるのが小網と大網の存在です。
小網は胃の小弯から肝臓・胆嚢に向かって付着しています。
胃下垂など、胃が尾側方向にアライメント不良を起こすと、その張力は小網を介して二次的に肝臓・胆嚢の機能不全を招いてしまいます。
続いて、大網についてです。
大網は胃の大弯から横行結腸の前、さらに前腹壁の前面にエプロン状に深く垂れ下がっている腹膜の一部です。
胃下垂によって慢性的に胃が下方偏位したままになっていると、大網は短縮位となり癒着を起こしてしまいます。
一度癒着を起こしてしまうと、胃の内臓治療単体では十分な効果が得られない可能性があります。
胃の内臓治療で効果がイマイチの場合は、大網へのアプローチも視野に入れると良いでしょう。
胃の可動力
次は胃の可動力です。
可動力とは臓器が持つ、隣接する組織との間に生じる運動のことです。
呼吸や平滑筋の不随意的な収縮、蠕動運動などがこの可動力を規定しています。
胃の可動力は前額面、矢状面、水平面の3方向で捉えることが出来ます。
胃の前額面上での可動力
息を吸う時に横隔膜が、胃底(胃の上の部分)の外側を下内側に導きます。
大弯と小弯の距離や底と洞の距離も縮まります。
正面から見ると胃は時計回りに回転するような可動力を持っています。
この時の運動軸は小弯の角切痕を通る前後軸です。
胃の矢状面上での可動力
矢状面では、胃底の上部が前方向に、洞が後ろ方向に移動する形で傾きます。
“胃が前傾する”と捉えるとイメージしやすいかもしれません。
運動軸は胃の中央を左右方向に貫く軸となっています。
胃の水平面上での可動力
続いて、水平面上での可動力にも着目しましょう。
水平面上では、胃は食道下部を通る垂直軸に沿って右方向に回転します。
“胃の右回旋”とイメージしましょう。
胃の自動力
自動力とは、それぞれの臓器に備わった固有の振幅運動のことです。
臓器の“周波数”と表現する場合もあります
胃の自動力運動の方向と軸は、可動力の方向と軸と同様であるとされています。
しっかりと胃の可動力をイメージできるようにしましょう。
まとめ
- 胃の体表解剖を把握しましょう。特に胃底や幽門部の位置が分からないと治療をする時に手の置き場所に困ってしまいます。
- 胃の付着・固定を理解しましょう。小網や大網は他の臓器と胃を繋ぐものなので、とても重要です。
- 胃の可動力と自動力を理解しましょう。各臓器の可動力と自動力を把握することは、内臓をリリースする際の運動イメージに直結します。内臓が本来持っている可動力や自動力に逆らわないように、リリース出来るようになりましょう。
今回の記事は以上になります。
ここまで読んで下さり、本当にありがとうございます。
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