いつもTOTALCAREアプローチ協会公式ブログをお読み頂き、ありがとうございます!
TOTALCAREアプローチ協会講師の北爪です(^^)
今回は、肝臓治療に付随する“胆嚢”に関する知識をお伝えします。
以前の記事にも記載しましたが、内臓治療習得の為に重要なことは
- 各臓器の解剖学的なイメージを3Dで持つこと
- 各臓器の生理学的な役割を理解すること
です。
肝臓治療を行う時は、胆嚢の存在もしっかりとイメージした上で行えるようにしましょう。
治療効果の精度を高めることに繋がりますし、生理学的な知識を持つことで応用できる場面も増える筈です(^^)

Contents
胆嚢の解剖学
まずは、胆嚢の解剖学から確認していきましょう。
胆嚢の概要
胆嚢は西洋ナシのような形をした管腔臓器です。
※管腔臓器とは管や袋のような形状の臓器を指します。
また、胆嚢の大きさは、長さ8~12cm、幅4~5cmで容量は40~70mlとされています。
調度、片手に収まる大きさの袋のイメージですね。
その胆嚢から胆汁を排出する管を“胆嚢管”と呼び、肝臓から胆嚢えを介さずに胆汁を排泄する管を“肝管”と呼びます。
そして、この2つの管が合流したものが“総胆管”となります。
そして総胆管は十二指腸のファーター膨大部に開口します。
肝管は長さ3~4cm、直径3~4mm程度であり、総胆管は長さ6cm、直径5~6mm程度です。
胆嚢の位置
皆さんは胆嚢が肝臓のどのあたりに存在しているか、イメージ出来るでしょうか?
教科書によって肝臓の前面に貼りつくように描かれていたり、肝臓の下にぶら下がるように描かれていたりと様々なようですが、正確には腹膜内の肝臓の後方に存在します。
体表解剖で位置をイメージするのであれば、鎖骨中線と右第9肋骨の交点に胆嚢は存在します。
胆嚢底(胆嚢の一番下の部分)は、体表解剖では臍から右乳頭または右鎖骨中点と右肋骨弓下縁が交差する点に存在すると言われています。
胆嚢治療の際に、手を置く位置が分からなくなってしまうことを防ぐ為にも、この体表解剖はしっかりと覚えておきましょう。
胆嚢の可動力と自動力
可動力とは臓器が持つ、隣接する組織との間に生じる運動のことです。
呼吸や平滑筋の不随意的な収縮、蠕動運動などがこの可動力を規定しています。
自動力とは、それぞれの臓器に備わった固有の振幅運動のことです。
臓器の“周波数”と表現する場合もあります。
胆嚢の可動力としては肝臓の可動力と連携すると言われています。
胆嚢単体での可動力は見つかっていません。
胆嚢の自動力としても、同様に肝臓に連携すると言われています。
胆嚢の生理学
肝臓は1日に800~1000mlもの胆汁を生成しています。
そして胆汁は、胆嚢による水分除去と胆嚢に貯蔵されている電解質により、10~12倍に濃縮されます。
胆嚢における胆汁
胆嚢における胆汁の組性を以下に記載します。
- pH値は中性かややアルカリ性
- 粘液
- 胆汁色素(ビリルビンと少量のビリベルジン)
- 胆汁酸
- コレステロール
- ステロイド薬剤およびその他の異物
胆汁酸の役割
胆汁酸は肝臓で合成され、すい臓のリパーゼと反応しやすい形に脂肪を変化させる働きをします。
親水性成分と親油性成分を併せ持つという特徴があります。
腸管内では、胆汁酸はミセルと呼ばれる物質を形成します。このミセルは水の溶解度が低い脂肪酸を水分が多い腸内環境でも乳化でき、小腸の粘膜に吸収させることが出来ます。
胆汁酸は、回腸終末部で再吸収されて肝臓に戻り、ふたたび胆汁に分泌されます。(腸肝循環)
胆汁酸のぶんしはこのサイクルをおよそ18周繰り返します。
この時、胆汁酸が回腸でうまく再吸収されないと、結腸上皮の水分の透過性が増してしまい、下痢になってしまいます。(胆汁生成性下痢)
感染症や食あたりによる炎症を繰り返したことで、小腸の機能が落ちてしまった場合には、この胆汁生成性下痢が生じやすいです。
ビリルビンとは
ビリルビンとは、赤血球のヘモグロビンが破壊されてできた産物です。
ヘモグロビンは肝臓で水溶性のビリルビンに分解されて、胆汁に分泌されています。
ビリルビンとその代謝物の一部は腸肝循環に入り、最終的に尿とともに排泄されます。尿が黄色いのはこのシステムが存在するからです。
胆嚢治療の適応
胆嚢、胆管、オッディ括約筋の共同運動障害を伴う胆汁の分泌障害。
※この問題の原因は癒着やスパズムであることが多く、女性の場合は月経要因の場合もあります。
胆嚢治療の禁忌
以下のような診断名、身体所見を示す患者様には胆嚢治療の適応を控えるようにしましょう。
- 黄疸
- 胆石疝痛(胆石発作とも言います。みぞおちや右上腹部に激痛を認めます。)
- 胆嚢炎
- 肝臓、胆嚢、胆管、すい臓の腫瘍
また、上記以外でも胆嚢治療後に好転反応(深刻な悪心、嘔吐、発汗、めまい等があった場合にはそれ以上の治療は中止しましょう。
今回の記事は以上になります。
ここまで読んで下さり、本当にありがとうございます。
【女性特有の症状を改善できるセミナーのご案内】

公式LINE@に登録
公式LINE@にてセミナー情報や、ブログには書けない特別なメルマガを配信しています。健康・美容の知識やスキルを身に付けたい女性は今すぐご登録ください。
