こんにちは、いつもTOTALCAREアプローチ協会公式ブログをお読み頂き、ありがとうございます!
TOTALCAREアプローチ協会講師の北爪です(^^)
今回も前回記事に引き続き、十二指腸の内臓治療に関係するお話です。
前回記事では十二指腸の解剖学や運動学を中心にお伝えしていますので、十二指腸の解剖学的なイメージがまだ掴めていない方は下リンクの前回記事からご覧いただくことをお勧めします。
前回記事:十二指腸の内臓治療に必要な基礎知識。触診に必要な解剖イメージ
今回は、十二指腸の内臓治療を行う上で重要な要素となる『十二指腸の生理学的な役割』というテーマでお届けします。
内臓治療は機能的な解剖学のイメージはもちろんですが、各臓器の生理学的な役割を理解しているか否かでも、大きく治療効果が異なるという特徴があります。
つまり、対象となる臓器が“何処にあり、どんな役割を持つのか”を理解することが非常に重要になるということです。
今回の記事を通して、十二指腸の生理学的な役割について理解を深めていきましょう。

十二指腸の特徴 概要
まずは、十二指腸の概要から復習していきましょう。
前述しましたが、詳細な部分を知りたい方は前回記事をご覧ください。
十二指腸という名前は、指12本を横に並べた長さということに由来しています。
実際には、指12本分よりも長く全長25~30cmでアルファベットの“C”のような形状をしています。
胃で消化された食べ物にすい液や胆汁などの消化液を混ぜて、空腸に送るはたらきをしています。
通常は、十二指腸、空腸、回腸の3つを合わせて“小腸”と呼びますが、参考書によっては十二指腸を小腸とは別の臓器として扱っている場合もあるようです。
十二指腸の生理学的な役割とは?
十二指腸の役割としては、主に胃で消化された食物をさらに消化する役割です。
これは、十二指腸下行部のファーター乳頭部で行われる働きです。
十二指腸の下行部には、胆嚢から繋がる胆嚢管と、膵臓から繋がる膵管の開口部が存在し、その部分がファーター乳頭と呼ばれています。
余談ですが、ファーターとは、発見したドイツ人解剖学者アブラハム・ファーターから名づけられたそうです。
胃で消化された食べ物が十二指腸に入ってくると、さまざまなホルモンが分泌されます。
ホルモンが胆嚢や膵臓に、はたらきかけることによって胆汁と膵液が押し出され、ファーター乳頭から十二指腸の中に流れ込みます。
胆汁や膵液によって混ぜられた食べ物は空腸に送られ、さらに消化・吸収が行われます。
この一連のシステムが正常に働くことが、十二指腸の役割として非常に重要となります。
ゆえに、十二指腸の内臓治療ではファーター乳頭部をターゲットに治療を行うことが多いです。
ファーター乳頭部の体表解剖は臍部と右乳頭を結んだ線で、臍部から3横指の部分ですので、こちらも合わせて確認しておくと良いと思います。
十二指腸で分泌されるホルモン
続いて、十二指腸で分泌されるホルモンについて確認していきましょう。
主に十二指腸で分泌されるホルモンは以下の3つです。
●セクレチン
●コレシストキニン
●胃抑制ペプチド
それぞれの役割について簡単に触れておきましょう。
セクレチン
胃液で酸性になった食物が入ってくると十二指腸の粘膜から分泌されます。
アルカリ性である膵液の分泌を促したり、胃液の分泌を抑えるようにはたらきかけます。
コレシストキニン
脂質の多いものが入ってくると十二指腸の粘膜から分泌されます。
胆汁や膵液の分泌をうながします。
胃抑制ペプチド
ブドウ糖や脂質が刺激となって十二指腸の粘膜から分泌されます。
胃液の分泌を抑えるようはたらきかけます。
これら3つのホルモンが正常に分泌されることが十二指腸の機能には必要となります。
ホルモン分泌に関しては、自律神経系へのアプローチは必要となってくるので、ここでも内臓治療と頭蓋治療を併用する重要性を改めて感じさせられます。
十二指腸粘膜の特徴
十二指腸の粘膜構造にはある特徴が存在します。
それは、プルンナー腺の存在です。
このプルンナー腺は大量の粘液を分泌し、その粘液には糖タンパクと重炭酸イオンが含まれています。
この粘液も胃から送られてきた酸性の食物を中和する働きがあります。
また、十二指腸粘膜の細胞は短命であるという特徴もあります。
このため、粘膜細胞の生理学的更新は比較的早く進められるため、損傷した細胞はすぐに新しいものへと置き換わります。
この特徴も、胃から送られた来た酸性の食物に対する防御システムの一部であると解釈することができます。
つまり、十二指腸の粘膜は様々な手段で酸性の食物から守られているという特徴があります。
このシステムが正常に働かないと、十二指腸潰瘍などの疾患に発展してしまいます。
十二指腸潰瘍は胃潰瘍の3~4倍の頻度で発症するといわれています。
粘膜の部分欠損であり、喫煙者やピロリ菌の感染、心的ストレスなどが原因と言われています。
今回の記事は以上となります。
ここまで読んで下さり、本当にありがとうございます。
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